飲食店のインバウンドマーケティングを一から始める方法

訪日外国人が増える中、飲食店にもインバウンドマーケティングが求められてきています。飲食店が行うべきインバウンドマーケティングとしては、外国人観光客が入りやすいお店作りや、口コミサイトといったSNSを活用することがあげられます。詳しく見ていきましょう。

インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは、企業やお店が自ら積極的にサービス・商品のプロモーションを行うのではなく、WEBメディアやSNSを活用して有益なコンテンツを発信することで消費者を惹きつけ、自らの存在を知ってもらうためのマーケティング手法です。

近年、日本は観光地として注目されていて、外国人による消費は年々拡大しています。日本政府観光局が発表した「訪日外国人消費動向調査(平成28年度)」によると、日本を訪れた外国人観光客は2404万人にもなり、消費額は3兆7,476億円にのぼると推計されています。さらに、2020年の東京五輪の前後には、訪日外国人はさらに増えることが予想できます。

日本国内の消費が落ち込む中、外国人によるさらなる消費を促すためにも、外国人観光客がどのような情報を求めていて、どのように情報収集をするのかをしっかりとつかみ、プロモーションを行っていくことが重要だといえるでしょう。

外国人観光客に向けたインバウンドマーケティングの重要性

近年、日本国内の市場や消費は「少子高齢化」の影響により徐々に縮小しつつあり、一方で外国人観光客による消費は拡大の一途をたどっています。

観光をする上で、飲食は必要不可欠です。日本人による消費が低迷していく中で、外国人による消費を狙うために、飲食店経営にもインバウンドマーケティングが重要な戦略となってきます。都市部や観光地はもちろん、空港周辺都市に飲食店をかまえている場合でも、インバウンドマーケティング対策をきちんとすることで、売り上げ向上が期待できるのです。

有名な観光地ならば日本人が積極的に宣伝せずとも、海外サイトが宣伝やアピールを行ってくれます。しかし、飲食店の情報は、海外サイトではきちんと紹介してくれていない場合が多いのです。その結果、外国人観光客から好まれるものを扱っている飲食店であるのに、存在自体を認識してもらえず、消費につなげることができなくなってしまいます。消費拡大のためには、自身のお店の強みを知り、外国人観光客に向けて情報を発信していくインバウンドマーケティングが重要になってきます。

飲食店がまず行うべきインバウンド対策とは

外国人観光客が入りやすい環境をつくる

飲食店が行うべきインバウンドマーケティング対策として、まずは外国人が来店しやすいお店の環境をつくる必要があります。外国語メニューを設置し、外国語が話せるスタッフを常駐させて、それらの用意があることを、店頭の目立つところに表示しておくといいでしょう。

この際のポイントとしては、外国語メニューを作成するだけでなく、宗教ごとに「食べることができないもの」への配慮があるメニューなども作成して、アピールするのも有効です。また、日本独自の食べ物の場合、外国人にはどのような食べ物なのかが文字だけではわからない場合もあります。そのため、メニュー表には写真を多く使用し、おすすめのメニューは店頭に張り出すなどの工夫をすると、外国人にとって入りやすく親しみの持てるお店となります。

また、外国人観光客の中には現金を持ち歩く習慣のない国の方もいますから、クレジットカード決済が可能ならばそのことをアピールするのも良いでしょう。

SNSでの発信や拡散を狙う

次に考えられるのがSNSの活用です。外国人観光客の多くはSNSを使って情報を収集します。そのため、SNSにお店の情報を発信したり、来てくれた外国人観光客に口コミを投稿してもらいやすい環境を作ったりしていくことが重要となります。

また、お店を利用してくれた外国人観光客がSNSで情報をシェアしやすいように、フリーWi-Fiの環境を整備するのも大切です。なお、帰国後に口コミを投稿する外国人観光客も少なからずいます。そういった人に向けて、多言語のショップカードを配布しておいて、正確なお店の名称や場所を投稿してもらえるようにしておくのも重要でしょう。

さらに、口コミサイトの写真が映えるものになるように、スタッフの制服を和服にしたり、名物メニューを準備したりするのも効果的です。

東京五輪を目前にした現在、訪日外国人観光客はますます増えていくことが予想されます。観光と飲食は切り離せない関係にあります。今後、いっそう増加が見込まれる外国人観光客を取り込み、売り上げ向上を目指すためにも、インバウンドマーケティングは重要だといえるのです。