インサイドセールスを導入して企業が成功するには

顧客のもとに訪問しない内勤型の営業手法、インサイドセールスが注目を集めています。インサイドセールスを導入し、企業を成功へと導くためのポイントについてご紹介します。

顧客データベースをシステム化

インサイドセールスを導入しようとする際、まず実践すべきことの一つとして挙げられるのは、顧客データベースをシステム化することです。インサイドセールスでは、電話やEメール、Web会議などを通じた顧客との対話から得た情報を記録・整理することが大切です。この作業を的確にまた合理的に進めるには、SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などの顧客管理システムを活用することが求められます。
他部署との連携を強める上でシステム化は欠かせず、情報共有にも役立つことでしょう。

営業部署とマーケティング部署との連携不足を解消する

インサイドセールスは、マーケティングが獲得した新規顧客を引き継ぎ、リードナーチャリングを実施することによって、いずれ顧客となる可能性が高い顧客を絞り込んでいきます。最終的にはさらに営業へと見込み顧客を引き継いで成約を目指しますので、インサイドセールスでは、営業部署とマーケティング部署との密な連携が必要になります。

そのため、互いに連絡を取り合う習慣があまりない、顧客に関する情報が正しく共有されていないなど、部署間の連携が不十分な場合は、インサイドセールス導入にあたって早急に対応した方が良いでしょう。まずは、営業部署とマーケティング部署によるミーティングの機会を持ち、定期的なコミュニケーションを心がけましょう。

適切な目標設定

インサイドセールスは、アウトサイドセールスよりも効率が良く、生産性が高いとみなされています。そのため高い目標を設定する傾向がありますが、これは誤りです。

インサイドセールスは、リードナーチャリング以外にも、リードを獲得するマーケティング、クロージングなどを担当する営業部署との中間にたち連携を調整するなど、様々な業務に従事しています。全てのタスクをこなすには相応の時間や労力が必要になります。インサイドセールスを導入し、すぐに成果を期待したいところですが、チーム構成員それぞれが納得できるような目標を設定すべきです。

インサイドセールスの実施体制を整える

インサイドセールスを既に実施している企業の実施体制についていくつか紹介しておきましょう。まず、インサイドセールス導入にあたって最初に検討すべきなのが、顧客管理システムをはじめとする営業支援ツールの活用です。

アメリカのインサイドセールスプロフェッショナル協会(American Association of Inside Sales Professionals)とVelocify社が実施した「The Inside Sales Process report」によると、成長率の高い企業では、売り上げが停滞気味あるいは減少している企業と比較して、66%以上の割合で2つ以上の営業支援ツールを取り入れていることがわかっています。営業支援ツールの導入は、インサイドセールスを成功に導く上での必須事項といえそうです。

また、新規の見込み顧客や1日あたりのコール数を決めておくことも重要です。先の調査によると、営業担当に割り当てられる1日あたりの新規見込み顧客数は、成長している企業のほうが78%以上、コール数に関しては50%以上多いということがわかっています。適正な割り当て数を決めるのは簡単でありませんが、新規見込み顧客やコール数の割り当て数が企業の成長に影響を与えうることは知っておくべきでしょう。

見込み顧客の育成期間を見極める

見込み顧客に対する育成期間を見極めることも重要です。上記の調査結果では、成長している企業のほうがアプローチ開始から成約するまでの期間が短い傾向があり、90日以下である割合が高いようです。効率を重視した戦略が求められることがわかります。



インサイドセールスを導入したからといって、必ずしも営業活動の効率化が図れるわけではありません。かつての営業手法に追加しただけで、かえって損失を出してしまうことがないよう、課題やポイントを一つ一つ見つめながら確実に進めていきたいところです。