セグメンテーション変数の意味と分類について

セグメンテーション変数とは何かご存じでしょうか?意味をきちんと理解して適切な分類を行えば、マーケティングの際に大いに役立ちます。ここでは、セグメンテーション変数の意味と分類についてご紹介します。

セグメンテーション変数とは

マーケティングでよく使われるセグメンテーション変数とは、「市場を細分化する際に用いる切り口」のことであり、性別や年齢、住まい、環境などの集団に着目する手法です。

マーケティング戦略では、限られた資源を効率よく利用することが重要です。そのため、市場に存在する不特定多数の顧客を「同質のニーズや特性としての集団」に分けなければなりません。そして自社の製品やサービスが、どのような集団に最も響くのかを検討します。幸いなことに、インターネットの普及によってユーザーの動向を測定しやすくなりました。これにより、セグメンテーション変数を効果的に用いることができるため、今後ますます注目される施策といえるでしょう。

消費財マーケティングを用いる際のセグメンテーション変数

消費財マーケティングとは、市場の顧客が「消費者」である戦略です。こちらのセグメンテーション変数には、地理的変数・人口動態変数・心理的変数・行動変数の4つが挙げられます。

地理的変数

国、都道府県、市町村などの地理的な要素のことを、地理的変数といいます。大まかに分けるのであれば国内か海外のどちらかであり、国内を選択した場合、どの地域のどのスポットなのかまで絞って検討します。

事業展開の規模や商品数、サービス内容によってエリアの広さが変わるのが特徴です。また、その地域では電車移動がメインなのか、いわゆる車社会なのかを考慮して、地理的変数を設定します。なお、オンラインショップといったWeb上のコンテンツでは、無理に地理的変数を設定しなくてもよいでしょう。

人口動態変数

人口動態変数では、年齢や性別、家族構成、職業、所得などの要素から集団を判断します。

たとえば不動産業界では、家族構成が注目すべきセグメンテーション変数です。単身と既婚者ではニーズが大きく違い、子どもの有無によっても求められる物件が変わってきます。

またスーツ業界では、所得が重要なセグメンテーション変数となるでしょう。高価なブランド品やオーダーメイドスーツを買ってほしいのであれば、高所得層を狙う必要があります。お手頃価格のスーツを展開する場合、新入社員や就活生の所得を考慮しなければなりません。

心理的変数

心理的変数には、消費者それぞれの価値観や性格、ライフスタイル、趣味嗜好などが該当します。気持ちに寄り添うマーケティングは難しいものですが、特定の価値観を持った消費者をグループ化することで他社との差別化につながる戦略を行えます。

もし無農薬野菜を販売する場合、「どんな価値観の人たちが食材の安全性を気にして購入するのか?」という点を追求していくことで、心理的変数がみえてくるでしょう。

行動変数

行動変数とは、購買状況や購買パターン、製品の知識といった要素を指します。

例を挙げると、スーパーでは消費者の購入頻度が高く、毎週のようにチラシの情報を届けるのは有効な手法です。逆に家電量販店では、大型家電の購入は数ヶ月~数年に一度の買い物となるでしょう。慎重に購入を考える顧客に対して、頻繁に値下げ情報を送るのは避けたほうがよいです。
メーカーやブランドの製品情報を提供することでも、ユーザーの購買意欲に変化が起こります。

産業財マーケティングを用いる際のセグメンテーション変数

産業財マーケティングとは、企業や官公庁といった法人に対する販売戦略です。B to B(B2B)マーケティングと呼ばれることもあり、顧客との関係をベースとしたマーケティングとなります。

市場調査とプロモーション活動の両立がシビアであり、「購買方法」「購買状況」「ユーザーの特性」といったセグメンテーション変数を常に意識して販売しなければなりません。また、法人の場合は消費者よりも、慎重に購入検討を行うのが特徴です。さまざまな役職者や部署が関与するので、価値基準の異なる集合体へのアプローチを心がけましょう。

販売促進や製品紹介のコンテンツ作成を行う前に、重要になる切り口は何かを考えることが大切です。セグメンテーション変数をきちんと定めれば、その後のマーケティング戦略がより的確なものとなります。「セグメンテーション変数をどの分類で行うべきか?」という点から慎重に検討しないと、マーケティングの効果を見込めないので注意してください。