マルチ・ブランド戦略とは?意味やメリットについて解説

ブランド戦略に力を入れる企業が増えてきている現代。最近は「マルチ・ブランド戦略」と呼ばれるブランド戦略が注目されています。消費者のライフスタイルの変化やニーズの変化が著しい現代において、マルチ・ブランド戦略はどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

ここでは「マルチ・ブランド戦略」の意味や実行のメリットについてご紹介します。

マルチ・ブランド戦略とは

マルチ・ブランド戦略とは、一つのカテゴリーの中で複数のブランドを展開するという戦略です。たとえば化粧品であれば「ファンデーション」というカテゴリーにおいて複数のブランドを展開させて、一つの企業の一つのカテゴリーの中に複数のブランドを置きます。

化粧品の他にも「食品・飲料品」「ファッション」「日用品」など数多くの商品がマルチ・ブランド戦略として販売されていることが多く、「このブランドとこのブランドが同じ企業の商品だったなんて知らなかった」という消費者からの声は少なくありません。

マルチ・ブランド戦略のメリット

一見、魅力的なメリットは無さそうなマルチ・ブランド戦略。しかし、実は企業において重要なメリットが隠れています。

市場の活性化

まず挙げられるのが「市場の活性化」です。
特定のカテゴリーの中に複数のブランドが存在していることで、それぞれのブランドから特定カテゴリーの情報を発信することができます。これにより特定のカテゴリーの情報の発信量を増やすことができるため、それに伴って市場の活性化を促すことができます。

幅広い層にアプローチしやすくなる

例えば「コーヒーメーカー」といったカテゴリーがある場合、一つのブランドだけで老若男女の顧客を獲得するのは非常に難しいものです。しかし、複数のブランドに分けて、それぞれ「若い女性」「高齢者」「新生活を迎える社会人」などのターゲットに向けて販売すれば、一つのカテゴリーで幅広い層にアプローチすることができるのです。

しかし、ただブランドを分けるだけでなく、「デザイン」「キャッチコピー」「使い勝手」「価格」などもターゲットに合わせて検討する必要があることを頭に入れておきましょう。

流通の独自性

複数のブランドに分けるということは、流通別にブランドを展開するということでもあります。その結果流通の独自性を実現でき、リスクの分散としての効果も期待できます。一つのブランドに問題が発生しても、別ブランドで対応できるため企業が受けるダメージを最小限に抑えやすくなります。

顧客の育成ができる

ブランドを複数に分け、安価なブランドから高価なブランドまでをそろえます。これにより徐々に顧客を高級ブランドへ引き上げることができ、「顧客の育成」を行うことができます。

しかし、そのためにはそもそも顧客にブランドのファンになってもらう必要があるため、ただレベルの違うブランドを並べるだけでなく、それぞれが魅力的なブランドであることが前提です。



マルチ・ブランド戦略は大手企業が行うイメージがありますが、中小企業の中にも導入しているケースは少なくなく、規模を問わずに様々な企業が戦略として取り入れています。そのため「自社は大手ではないから」と、マルチ・ブランド戦略を断念する必要はありません。ブランドを立ち上げる際のコンセプト設定や明確なターゲティングを行うことで、どのような企業であってもマルチ・ブランド戦略を成功させることは十分に可能です。
ぜひ今回の記事を参考にしながら、自社の戦略の参考にしてみてください。